感情供養
6月のイベントも終わり、7月の旅行も楽しい思い出となった。
もやもやとした気持ちを抱えて現状維持でいるよりも、すっぱりと断ち切って環境を変えるべきではないかと思い立ち、今の職場に退職届を出した。
急に辞められても迷惑だろうと、キリのいいところで11月までは働くことになっている。
自分を長年苦しめていた、苦しめていた?いや、楽しかったこともあったのでこのように書くことに躊躇してしまうのだが、そんな人間関係の悩みからも解き放たれて、さあ新しい自己実現に励もうではないかと行きたいところなのにずっとぼんやりだらだらと過ごしている。
言うなればやる気がない。
スマホゲームに夢中になって頭が働かなくなっているのかな。
はまっているのはこのゲーム。
絵の中に散りばめられたアイテムを見つけ出すという単純なゲームなのだが、絵の美しさもさることながら隠されたアイテムの「見慣れなさ」も楽しいのだった。
例えばここで覚えたアイテムの単語の数々「マチェテ」「ジェズベ」「バスブーサ」「ゴブレットドラム」
聞いたことも見たことのないこれらのアイテムを絵から探せと言われてもわからんし!ととまどいつつもてきとうに画面をクリックして、偶然該当アイテムをタッチし、それを知るという世界ふしぎ発見的な面白さ。
スマホで単語を検索して、へーとなる。
いやいや、別にこんなゲームの紹介がしたいわけではない。
夏の暑さのせいだろうか。
単純に年のせいとか。
このやる気のなさを何かのせいにしたくてあれこれ理由を探しているだけなのかもしれないし、パートとはいえ10年通い続けた職場から離れることに未練がないわけではなく、別のもやもやした感情を持て余しているともいえる。
朝、BSでドラマ『おそろし~三島屋変調百物語』を見た。波留が主演の宮部みゆき原作の時代劇だ。連続5回の今日が最終回だった。サイトを見たら2014年の作品だった。当時は「ながら見」でてきとうに鑑賞していたのでよくわからないままだったが、今日は集中して観たこともあってか、物語の人物たちの語る言葉が身に染みて入ってきた。
以下はネタバレになってしまうのだが、
波留演じる、傷心の少女おちかは百物語として様々な人から不思議な話を聞くことで、そこで語られる人々に心を寄せ、境遇を理解し、涙する。それが死してからもこの世をさまよっていた彼らの魂を救い、供養することになったのだった。
誰かにわかってほしい。
そういう気持ちって誰にでもあると思うんだよね。
私も10年間ため込んでいた鬱屈した気持ちを持て余しているのかな。
ノートに書き留めることで気持ちを整理してきたつもりでいたし、人に話すことで一時的に気持ちをすっきりさせてはきたが「供養」にはなっていないんだろうなあ。
自分を傷つけた人たちを傷つけ返したいわけではないのだ。
ただただ「なんでなの?」という疑問。人に対する疑問。
悩んで、考えて、本を読んだりして、見えてきた答えはきっとそこら中に転がっている理由で。「よくあること」なんだろうなあ。
書いてまとめることで私自身の供養になる気がする。
そう。
語ることに意味があることはわかっているのだが、ネットの怖さを知りすぎて昔のようには踏み出せずにいる。でもきっと私は語りたいんだろうなあ。